ダイヤモンドは七色の強い輝きが魅力で、婚約指輪のセンターストーンにも選ばれていますよね。
基本的に宝石のカットは原石の形で決まりますが、ダイヤモンドの場合は約8割がラウンドブリリアントカットにされているそうですよ。
ブライダルショップやジュエリーショップを訪れた方の中には「なんで同じ形ばかりなの?」と疑問を持った方も多いかもしれません。
なぜこんなにもこのカットが多いのでしょうか。
ダイヤモンドがラウンドブリリアントカットばかりの理由を説明いたします。
ラウンドブリリアントカットはもっとも強く輝くカット
Pt900ラウンドブリリアントカットネックレス0.3ct
ラウンドブリリアントカットはダイヤモンドの王道カットで、ダイヤモンドの輝きを最大限に引き出すカットと言われています。
まずは「ブリリアントカット」の説明から。
ブリリアントカットは稜線がガードル(外周)を横切る面の取り方をしていて、強い光を外に放ちます。
マーキス、ペアシェイプ、ハートなど様々なカットがある中で、一番輝くのがラウンドブリリアントカットです。
ラウンドはどの方向からでも同じ量の光が入り、その光を均等に最大限に跳ね返すことができるので非常に強い輝きを出すことができるのですよ。
ダイヤモンドの美しさをもっとも引き出していると言えるかもしれません。
実は時代と共にカット面の大きさやカットの角度などは徐々に変化していて、1800年代にカットされたダイヤモンドと現代のものを比べてみるとテーブルのサイズやキューレットの大きさなどが違います。
ラウンドブリリアントカットは市場価値が高い

希少で劣化することがほとんどない、市場価格が安定している、明確な評価基準があるという3つの特性からダイヤモンドを資産として扱うこともあります。
その中でも量が多く人気の高いラウンドブリリアントカットの価格は安定していて、再流通させる場合にも安定した価格で売ることが出来ます。
ダイヤモンドの評価要素であるカラー、クラリティ、カラットが同じであれば、ラウンドブリリアントカットの方がそれ以外のカットよりも高く買取してもらえる傾向があるのですよ。
カットの良し悪しもありますが、おおよそ2割程度高くなるようです。
ダイヤモンドに価値や資産性を求める方はこのカットを選ぶ方が多いですね。
時計やブランド品もそうですが、市場で人気があるものは価値が下がりにくく、逆に上がることもあります。
「せっかく買うなら価値の下がりにくいものがいい」というのは非常に真っ当な意見ですし、価値の高いものが好まれる婚約指輪にラウンドブリリアントカットが選ばれるのもわかりますね。
ラウンドブリリアントカットは性別年齢関係なく人気が高い

贈り物として人気の高いダイヤモンドだからこそ、ラウンドブリリアントが選ばれているという点もあります。
ダイヤモンドはカットによって全く違う印象に変わります。
個性が強いカットはそれだけ強い魅力もありますが、人の好みもハッキリ分かれてしまう傾向があります。
ハートシェイプなどは可愛らしく魅力的ですが、女性によっては自分のイメージに合わないから着けられないという人もいますし、マーキースカットは華奢に見えるカットなので体格によって合う合わないが出てきます(もちろん大きさによって違いますが)。
ラウンドカットは好き嫌いが少なく年齢関係なく身に付けることが出来るため、プレゼントに選ばれやすいのではないでしょうか。
商品の作りやすさ

ここからは長年ジュエリーの販売に携わってきた経験からのお話になるのですが、売り手としてもラウンドブリリアントカットはデザインしやすく、たくさん同じものを作るのに向いているカットなのですよ。
他のカットは石ごとに縦横の長さがバラバラです。
ハートカットと一言でいっても、個々でシェイプが違うと印象が違いますよね。
このため、他のカットでまったく同じ形を揃えるのには時間がかかったり、コストが高くなることもあります。
それに対しラウンドブリリアントはもともとの数が多く、縦横の長さが統一されているので同じ形を揃えやすく商品化しやすいんです。
ジュエリーは本来、宝石の形や特徴に合わせてデザインを決め、宝石に合わせて加工を行います。
ですが、この作り方は大手企業がおこなう大量生産には向きません。
たくさんのジュエリーを一気に作るには、ラウンドブリリアントカットのダイヤモンドが一番向いているといえます。
まとめ

ラウンドブリリアントカットのダイヤモンドは輝きの強さ、資産性の高さ、プレゼントのしやすさ、売りやすさなど、売り手と買い手どちらにも扱いやすく魅力的なカットであることがわかりました。
とはいえ、個性的なカットも王道のカットも、それぞれが違ったダイヤモンドの魅力を引き出してくれます。
自分の「好き」という気持ちも大切にしたいですね。
皆さんに運命的なダイヤモンドが見つかりますように。