宝石の知識 PR

販売トークでも使える|シトリンとインペリアルトパーズの違い

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

シトリンとインペリアルトパーズはどちらもイエロー系宝石の代表格です。

ただ、両方を見比べたことがないと、同じ黄色の宝石でイマイチ違いがわからないと感じてしまうかと思います。

実際私も働き出すまでしっかりとした違いはわかりませんでした。

また、一昔前に「シトリントパーズ」という言葉が出回ってから、余計にこの二つを混同してている人も少なくありません。

比べてみると、どちらもとても魅力的な宝石なのですよ。

シトリンの基本情報|シトリンは水晶

鉱物名クォーツ
化学組成Si02
モース硬度7
劈開なし
屈折率1.54-1.55
分散率0.013
多色性2色性(弱)
産地ブラジル、インド、スコットランドなど
カラー黄色、オレンジ
誕生石11月
結婚記念日13周年記念

黄色宝石の代表格といえばこのシトリン。

日本名は黄水晶で、その名の通り水晶の仲間です。

語源は柑橘類の「シトロン」の色に似ていることから名付けられたそうです。

紫色の水晶を「アメシスト」、茶色の水晶を「スモーキークォーツ」と色によって宝石名が変わるのですが、黄色の水晶は「シトリン」と呼ばれます。

「シトリン トパーズ」って何?

たまにシトリンのことを「シトリン トパーズ」という名前で紹介する人もいますが、これは「トパーズのような色をしたシトリン」という意味で使われる誤解を生む言葉です。

過去、問題になったことから今業界で使っている人はほとんどいません。

気をつけたいですね。

インペリアルトパーズの基本知識|実はカラフルなトパーズ

トパーズにはOHタイプとFタイプの2種類にわかれ、一般的にブルートパーズはFタイプ、インペリアルトパーズはOHタイプで、Fタイプよりも産出量が少なく希少です。

販売トークでも使える|アクアマリンとブルートパーズの違い解説 よく似た外見をした宝石はいろいろありますが、その中でも特にわかりにくいと感じるのがアクアマリンとブルートパーズです。 どちらも誕...

鉱物名トパーズ
化学組成Al2OH2SiO4(OHタイプ)
モース硬度8
劈開完全(1方向)
屈折率1.63ー1.64
分散率0.014
多色性3色性(明)黄色:褐色:帯ピンク黄色
産地ブラジル、マダガスカルなど
カラー黄色、シェリー、ピンク、レッド
誕生石11月

「トパーズ」という名前の由来はギリシャ語の「探し求める」、サンスクリット語の「火」という意味など諸説あります。

皇帝のトパーズとして愛されたことや、「最高の」という意味を込めて「インペリアルトパーズ」と呼ばれています。

シトリンとインペリアルトパーズの違い|色

シトリンとトパーズ

写真で見るとシトリンとイエロー系のインペリアルトパーズは似ているものも多いですが、実際に見比べると細かく違いを感じられます。

個人的な意見ですが、シトリンとトパーズでは多色性の違いによって見た目の色が違っていると思っています。

シトリンは多色性が弱く、単色での美しさが目立ちますが、インペリアルトパーズは多色性がわかりやすく、見る角度によって違う色が見え隠れします。

小さな違いですが、私たちの目は無意識にその違いを判断しているのではないでしょうか。

シトリンは柑橘系の爽やかイエロー&オレンジ

シトリンはイエロー系からオレンジ系の色があります。

イメージとしては、イエローはレモンのような爽やかさのある色、オレンジはジューシーな果肉のような色だと思います。

表面のキラキラとした輝きと中から色の濃淡を感じるモザイク模様も魅力的。

見ていると足取り軽やかにお出かけしたくなる色だと思います。

インペリアルトパーズはお酒のような大人のカラー

インペリアルトパーズのカラーは大きく分けてシェリーカラー、ピンク、レッドの3種類あり、その中でもシトリンと似ているとされるのはシェリー系の色かと思います。

シェリーカラーは褐色や黄色、オレンジを含んだ色合いです。

インペリアルトパーズのシェリーカラーは黄昏色のようで、どこか哀愁を感じさせる色合いが魅力です。褐色、黄色、ピンク、オレンジなどの色が複雑に入り混じっていて、奥深さがあります。

シトリンとインペリアルトパーズの違い|希少性

どちらも比較的大きいサイズが見つかりやすい宝石として知られていますが、シトリンとインペリアルトパーズでは産出量が違います。

産出量は少ないほど希少価値が高まるものなので、同じサイズの宝石であっても価格が全然違ってきます。

基本的にはトパーズの方が高値で取引されていることが多いですよ。

産出量が多く手頃な価格なシトリン

産出量も多く値段も手頃なことから、カジュアルなアクセサリーにもよく使われているのを見ます。

「透明度が高く色も良いのに、こんな安くていいの!?」と思うことも多く、お得感のある宝石だと思います。

なぜここまでたくさんのシトリンが出回っているのでしょうか。

実はアメシストに加熱処理を行うとシトリンに変化するのです。そのため市場にはたくさんのシトリンが出回っているんですね。

反対に、処理をされていない美しいシトリンは珍しいため、コレクターアイテムとして人気があります。

希少性が高いインペリアルトパーズ

OHタイプのインペリアルトパーズは産出量が少なく、美しいものは希少性が高くなります。

レッドトパーズが最も希少性が高く、次いで人気のピンク、シェリー、その他と、色によって価格が変わるのが特徴です。

ただ、絶対にレッドトパーズが良いというわけではなく、自分が楽しむのが目的であれば好きな色を選ぶのが良いと思います。

まとめ

シトリンとインペリアルトパーズ、イエロー代表の宝石としてどちらも魅力的な宝石でした。

シトリンのビタミンカラーは身につけると独特の華やかさで元気をもらえ、インペリアルトパーズのシェリーカラーは身につけた人にミステリアスな魅力を与えてくれることでしょう。

ぜひ素敵なイエローを身につけてくださいね。

【宝石の基本知識と価値を知る一冊
完全版 宝石/諏訪 恭一

有名なカラーストーンの価値の比較も書かれている一冊。
より踏み込んだ内容で宝石の知識を深めます。