ジュエリーの中でも繊細な宝石である真珠。
あなたのお店ではどんなふうにディスプレイしていますか?
何も気にせずただハイケースに入れているだけなな要注意!ディスプレイしているだけで真珠が劣化してしまうかもしれません。
いつの間にか真珠が劣化してしまった!なんてことがないようにするにはどうすれば良いのでしょうか。
そのためにはまず真珠がどんな場所に弱いかを知る必要があります。
真珠の特性を知ることで真珠のディスプレイの仕方のヒントになるかもしれません。
販売員さん向けの内容ですが、そうでなくてもこの記事を読めば真珠を美しい状態で保管することができます。
具体的な例についてもお答えいたしますよ。
ディスプレイでは乾燥と熱、そして紫外線に注意
真珠は冠婚葬祭で使用されることが多いため、どのお客様にも馴染み深い宝石なのですが、デリケートな宝石の代名詞と言って良いぐらいその弱さも有名です。
そんな真珠をどうやって美しくディスプレイすれば良いのでしょうか。注意点とポイントをお伝えします。
①乾燥と熱を避けるライティング方法
真珠は極端な乾燥に弱い宝石です。ですからディスプレイする時は真珠の環境に注意してください。
例えばライトの位置。熱がこもるライトの近くに真珠を置いてしまうとその熱で水分が蒸発し乾燥してしまいます。
真珠にライトを当てる場合はなるべく遠くからが鉄則です。
スポットライトでメリハリある陰影をつけるのも一つですが、真珠を何本も並べる場合は同じ光量を満遍なく当てる方がベスト。
真珠を選ぶとき、大抵のお客様が何本も並べて見比べますから、満遍なく光が当たる方が選びやすいんですね。
少し面倒ですが天井のライトを調整して真上から光を当ててあげましょう。
②乾燥避けのコップ
よっぽどのことがない限り、多くのジュエリーショップの店内は空調によって乾燥気味だと思います。
ですが真珠は乾燥が苦手。そのためハイケースの中に水を入れた小さなコップをディスプレイしておきましょう。
この方法は多くのジュエリーショップで活用されているので、「私のところでもやってるよ!」という方もいらっしゃるかもしれません。
こんな簡単なことで乾燥し過ぎを防いでくれるなんて嬉しいですよね。
もちろん水は徐々に減ってきますから定期的に水を足すようにしましょう。もちろんコップは毎回綺麗に洗い、外側に水滴の付いていない状態をキープしておきましょう。
たまにコップに水垢がついたままになっているお店がありますが、そういった部分もお客様はよく見ていらっしゃいます。気をつけたいポイントです。
真珠に水滴がついてしまったらしっかりと拭いてあげましょう。実は水がついたままだと真珠層が溶解してしまうんです。
③窓辺のディスプレイに放置しない
宝石を一番美しく輝かすのは太陽の光と言いますが、真珠の場合はこれがとっても危険。
というのも真珠層を作っているタンパク質は紫外線に当たり続けると黄色く変色してしまうんです。
6月は真珠が誕生石ということもあって、入り口の日が当たるハイケースに真珠がたくさん並べられているのをよく見ますが、紫外線が当たりやすいことを考えるとあまり良いと言えませんね。
もちろん売れなければお話になりませんから、売り出しのために入り口付近に置きたい…!というお気持ちはとてもよくわかります。
外のディスプレイに出す場合は紫外線の量に気をつけましょう。
- 時間を決める
- 日によって商品を入れ替える
- 直射日光の当たる時間は置かない
少しの工夫で大きく違ってきますから、少しでも多くの対策をしておくのがいいでしょう。
しかし、商品はあくまでお客様のもの。お客様の手に渡るまでに劣化した、は許されませんから、よほどのことがない限り店内でディスプレイしてくださいね。
どうして真珠は弱いのか知っていますか?
そもそも、なぜ真珠が熱や乾燥に弱いかご存じですか?
真珠が他の宝石と比べて弱い理由は、貝から生まれた宝石だからです。
ダイヤモンドやルビーなどは鉱物である無機質になりますが、真珠や琥珀は生き物から生まれた有機質となります。
有機質である真珠は人間と同じタンパク質で出来ているため環境の変化に弱いのですね。
もちろん真珠の方がずっと丈夫ですが、極端な乾燥や湿気によりヒビが入ってしまうことがあるので注意が必要です。
人も湿気や乾燥でお肌がごわついたりカサカサになったりしますよね。
真珠をディスプレイする時は「自分がディスプレイされるならどこにするか」という視点で考えるとベストな環境を作ることができますよ。
定期的なチェックが真珠を長持ちさせる
このように真珠は乾燥、湿気、紫外線に影響を受ける宝石です。
管理するのは大変そうと思うかもしれませんが、お客様に最高の状態で見てもらうためにも毎日のお手入れを欠かさないようにしたいですね。
さらに真珠は定期的に拭くことで美しさを保つことができますから、コップの水を換える時などに一緒にクロスで拭くといいでしょう。
冠婚葬祭で使用する真珠は普段宝石に興味がない方でも買いに来られるアイテムです。
美しい売り場でお客様の心を射止めてくださいね。