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安心できる宝石の硬度は?モース硬度・靱性の一覧

宝石,ルース,
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宝石に価値があるのは「希少性・美しさ・耐久性」があるためと言われています。

その中でも耐久性は宝石の美しさを保つためにかなり重要な要素です。

ジュエリーとして身に着けるのであれば、ある程度の耐久性がなければすぐに傷がついたり割れてしまうこともあります。

具体的にどれぐらいの耐久性があればジュエリーとして安心できるのでしょうか。

基本的な硬度と靱性について、そして硬度の低い宝石のジュエリーをご提案する方法をご紹介します。

モース硬度と靱性は暗記してもいいぐらい重要

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宝石の耐久性と一言に言っても、擦り傷に強いものもあれば落下に強いものなど種類はいろいろです。

今回は宝石の代表的な強度を表す「モース硬度」と「靱性」をご紹介します。

モース硬度は引っ掻き傷の強度を表したもの、靭性は割れや欠けに対する強度を表します。

この二つは全く違うものですから、別々で整理して覚えておきたいですね。

モース硬度とは

モース硬度はドイツの鉱物学者フリードリッヒ・モースさんが考案した定義です。

比較的知られている宝石を10種類集め、それぞれ引っ掻き合わせてどちらが傷がついたかを調べてました。

そのため1〜10の硬さの度合いは均等ではなく、相対的な数値です。

モース硬度で表すとダイヤモンドは硬度10でルビーはその次に硬い硬度9ですが、実際はダイヤモンドの方がルビーの3倍以上硬いんですよ。

モース硬度一覧表

宝石名モース硬度硬さの目安
ダイヤモンド10簡単にガラスを切ることが出来る
コランダム(ルビー、サファイア)9ガラスを切ることが出来る
アレキサンドライト8.5
トパーズ8簡単にガラスに傷をつける
エメラルド7.5-8
水晶(アメジスト、シトリンなど)7ガラスに傷をつける
タンザナイト6−7
ジェード6-7
オパール5−6
アパタイト5ナイフでなんとか傷がつく
真珠2.5−4.5モース硬度2は爪の硬さ
滑石爪で傷がつく柔らかさ

表で見ると有名な宝石でもモース硬度7以下のものも結構あることがわかりますね。
有機質の真珠、珊瑚は特に硬度が低く、引っ掻き傷に注意が必要です。

とはいえ、有名どころの宝石のほとんどが硬度6〜8に集中していますから、硬度がいかに重要な条件であるかがわかりますね。

靱性とは

こちらは欠けや割れに対する強度を測ったものです。

モース硬度が引っ掻きの強度であるのに対し、靭性は衝撃の強度ですね。

特に指輪はぶつけやすいアイテムなので、靭性も大まかに覚えておくと良いですよ。

靱性一覧表

宝石名靭性
カーボナード10
ジェダイト、ネフライト8
コランダム(ルビー、サファイア)
ダイヤモンド、7.5
水晶7.5
ベリル(アクアマリン、モルガナイトなど)7.5
エメラルド5.5
トパーズ(熱処理後)
ムーンストーン5
アパタイト3.5
スポジューメン

モース硬度と見比べると意外な宝石が上位に上がっていますね。

一度実験で靭性8ジェダイトをハンマーで猛烈に叩いたことがありますが、ガキーン!とすごい音がしただけで全く欠けませんでした。

ちなみに靭性5.5のエメラルドはハンマーで叩くと粉々になります。

モース硬度と靭性が高ければそれだけ耐久性が高く、普段使いのジュエリーに向いてるといえます。

ではどれぐらい宝石に強度があれば、普段使いでも安心して使えるのでしょうか。

キーポイントはモース硬度7

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ジュエリーとして安心して使えるモース硬度は7以上です。

これはちゃんとした根拠があります。

まず、地球を構成する成分の約50%は水晶の成分シリカ(SiO2で出来ています。

シリカはモース硬度が7で、道端の砂利や塵に混じってあちこちに漂っています。

いつの間にか車のフロントガラスに小傷が付いてしまうのも、付着した塵の中にシリカが紛れ込んでいるから

ですから、モース硬度7以下の宝石は日常使いしている間に付着した塵によって小傷がついてしまう可能性があるのです。

逆にモース硬度7以上であれば比較的安心して日常使いできます

モース硬度が低い宝石はオススメしない方がいい?

それではモース硬度が低い宝石はオススメしない方がいいのでしょうか。

いえいえ、全くそんなことはありません

なぜなら、いくら硬度があったとしても形あるものが絶対に壊れない・傷つかない、という保証はどこにもないからです。

どれだけ強度のある宝石でも使い方によって傷ついてしまう可能性は十分あります。

さらに言えば、人が宝石を選ぶ理由は硬度だけでは決められません。

これはお買い物をする状況を考えればよくわかります。

例えばあなたが新しい鞄を探しているとします。

その時、おそらく丈夫さだけで鞄を選ぶことはほとんどないと思います。

デザインや使い勝手、手持ちの洋服と合わせられるかも気にしますよね。

ジュエリーも一緒で、硬度の弱い宝石を気に入ったのであれば着けるタイミングやアイテムを選べばいいのです。

オパールは硬度5−6と柔らかいですが、非常に古くから愛されていますよね。

硬度が低いからオススメしないというのは宝石を十分にご提案できているとは言えません。

硬度が弱ければデザインやアイテムの提案をするだけでも傷つき防止に繋がりますよ。

硬度の低い宝石をオススメするなら

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硬度が低くても美しく魅力的な宝石はたくさんあります。

それを身につけたいと思う気持ちは痛いほどわかりますよね。

具体的にはどのようにご提案すればいいのでしょうか。

まずは販売員である私たちがアイテム、着け方、タイミングをご提案して、傷つきやすい状況にならないよう促すのが良いと思います。

アイテムを提案する

お客様が硬度が低く不安なようであれば、傷つけにくいアイテムをご提案するのも一つの方法です。

特にアパタイトのような柔らかい宝石は、お客様に初めに特性をお伝えしてアイテムを選んでいただいた方が良いでしょう。

例えば、リングよりもネックレスやブローチの方がぶつけにくく傷も付きにくいので、硬度の低い宝石が付けやすくなります。

ルース(裸石)からジュエリー加工のご提案ができる場合も同じです。

着け方・タイミングを提案する

お客様がリングのようなぶつけやすいアイテムを選らんだ場合はどうすればいいでしょうか。

その場合は着け方、そして着けるタイミングを提案してみてください。

まず着け方ですが、リングであれば利き手と反対の手に着けるのがオススメです。

利き手にリングをはめると、どうしてもドアノブやバッグの中に手を入れた拍子にぶつけたり引っ掛けたりしてしまう危険があります。

着ける手を変えるだけでも、ぶつける心配が少なくなりますよ。

またスポーツや料理をするとき、ライブやお祭りのような人混みが多いイベントでは身につけないようにご提案するといいですよ。

硬度が低い宝石をジュエリーにするなら、それをフォローする提案を

モース硬度と靱性、ジュエリーとして安全な硬度、お客様へのご提案方法の3点をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。

硬度が低い宝石をお客様が気に入ってくださることは何の問題もありません

ただ、売りたいが故に硬度の低さ、脆さを伏せたまま販売するのは非常に危険です。

宝石販売は今売る努力も大切ですが、それ以上に今のお客様が3年後も来てくださる努力をしなければなりません。

3年後にもお客様に「信頼できる良いお店で買った」と言っていただくためにも、販売側はマイナスなことも正しくお伝えしご提案していく姿勢が必要です。

それが出来るかどうかが、信頼していただけるジュエラーの基準だと思います。

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