今回はジュエリーコーディネーター3級教科書の「自色宝石と他色宝石の違いについて」解説していきたいと思います。
なぜならこれは私が学生時代に教えてもらって「ほ〜」っと感心し、よく覚えている内容だからです。
宝石の色を知る上で欠かせない『遷移元素』についても解説していきますよ。
宝石の色を語るのに不可欠な遷移元素とは
宝石の着色で最も重要と言われているのが遷移元素による着色です。
遷移元素とはTi(チタン)、V(バナジウム)、Cr(クロム)、Mn(マンガン)、Fe(鉄)、Ni(ニッケル)、Co(コバルト)、Cu(銅)などの元素のこと。
宝石の主な着色原因となり、とても重要な元素となります。
元素記号が出てくると、学生時代の理科を思い出しますね。
遷移元素が宝石内に入っていると、色とりどりのカラーになるというわけですが、
自色と他色では遷移元素の入り方が違っており、それぞれ違いがあるのです。
自色宝石とは・・・宝石を構成する主成分が着色原因となる宝石
他色宝石とは・・・宝石を構成する主成分とは無関係な不純物が着色原因となる宝石
自色とは
自色宝石はその宝石の主成分に着色原因である遷移元素が入っている宝石です。
アルマンダインガーネット、トルコ石、ペリドット、マラカイトなどがあります。
ペリドットを例に見てみましょう。
ペリドットの化学成分を見てみると、構成元素にFeが入っているのがわかりますね。
ペリドットになるために必要な成分としてFeが組み込まれているんです。
もしこのFeが入っていなければ、それは他の鉱物か何かになってしまう(?)というわけです。
ペリドットはどれも同じような緑色をしているのは着色成分であるFeが必ず入っているため。
このように、自色宝石は石種によって色がある程度決まっている(色相変化の範囲が狭い)のが特徴です。
ちなみに「Feが入っているもの=緑色」ではありませんのでご注意を。
他色とは
他色宝石とは、宝石を構成する主成分に還元元素が入っていない宝石です。
他色の宝石はルビー、サファイア、エメラルド、トルマリンなどが有名ですね。
エメラルドを例に見ていきましょう。
エメラルドは宝石名で鉱物名はベリルといい、ベリルにCr(クロム)が入り緑色になるとエメラルドと呼ばれるようになります。
ベリルの化学成分をみると、どこにも遷移元素が入っていません。
着色成分が入っていいないため、科学的に純粋な状態だとエメラルドではなく無色のベリルとなります。
ここに遷移元素が不純物として混入すると色が変わります。
色は遷移元素によっていろんな色になります。
例えば不純物としてCr(クロム)が入るとエメラルドになりますが、Fe(鉄)が入ると水色のアクアマリンとなります。
Mn(マンガン)が入るとモルガナイトというピンク色の宝石になります。
このように他色宝石は同じ鉱物でも様々なカラーバリエーションがあり、違う宝石名で呼ばれることもあります。
同じ鉱物なのに色によって名前が違うのはルビーとサファイアが有名ですね。
ルビーとブルーサファイアは同じコランダムという鉱物名です。
コランダムにCr(クロム)が含有し赤色になることでルビーになり、Fe(鉄)とTi(チタン)によってブルーサファイアとなります。
自色と他色を知ると宝石の面白さがわかる(?)
自色と他色の違いについて解説しました。
この内容は『ジュエリーコーディネーター3級テキストの37ページ』に書かれていますよ。
もしお時間があれば読んでみてくださいね。