ダイヤモンドは価値の高さと美しさから世界中で愛されています。
宝石の中でも特別な宝石と言って良いでしょう。
ダイヤモンドがこれだけ価値が認められているのはその価値にきっちりとした基準「4C」が作られているから。
今回はそんなダイヤモンドの基礎、4Cについて深掘りしていこうと思います。
ダイヤモンドの品質基準「4C」とは
ダイヤモンドの品質を評価する際に用いられる基準です。
ジュエリーを販売している人で、知らない人はいないのではないでしょうか。
基準を測る4つの要素、カラット(Carat)、カラー(Color)、クラリティ(Clarity)、カット(Cut)のCの頭文字をとってこう呼ばれています。
それぞれの要素をまとめて説明していきましょう。
①カラット(Carat)は重さ
カラットは、ダイヤモンドの重さを表す単位です。
1カラットは、約0.2グラムに相当します。
なぜこんな中途半端なグラムなのかというと、昔ダイヤモンドの重さを測るときにカラット豆と呼ばれるお豆さんを使用したからです。
この豆は重さが均等で、どの豆を測っても0.2gなのだそう。
そのためこのカラット豆で重さを測ることで正確で公平な取引ができたそうですよ。
通常、カラット数が大きいほどダイヤモンドの希少価値は高まります。
また、値段は1.0ct、1.5ct、2.0ctとキリが良い数字になると価格がグッと上がります。
需要がある大きさかどうかも値段を左右するんですよ。
ただ、カラットで全ての価格が決まるわけではありません。
同じ1ctでも他の要素(カット・カラー・クラリティ)によって10万円で買えることもありますし、200万円を軽く超える場合もあります。
②カラー(Color)
ダイヤモンドといえば無色透明というイメージがありますが、多くのダイヤモンドは少し黄色がかっています。
ダイヤモンドの基本のカラーグレードは、DからZまでのアルファベットで表します。
Dカラーは無色で、Zカラーに近づくにつれて黄色味が強くなっていきます。
個人的に、完全な無色はDカラーですが、FやGあたりもほぼほぼ無色に見えます。
ルースの状態でも見比べないとわからないレベルですから、ジュエリーにしてしまうとほとんどわからないと思います。
Kカラーあたりからは黄色味を帯びているのが分かりやすくなります。
Zカラーになるとかなり鮮やかな黄色に見え、逆にそれが美しいほどです。
イエローを帯びたダイヤモンドはイエローゴールドの地金を使ったジュエリーと合わせると溌剌とした美しさが強調されて、とても魅力的になります。
③クラリティ(Clarity)
ダイヤモンドのクラリティは内包物や傷の有無と、その程度を評価します。
内包物やクラックが少なく内部がクリアであるほど、クラリティが高く評価されます。
クラリティは11段階に分けられます、サクッと見ていきましょう。
【クラリティの評価(GIAから引用】
https://www.gia.edu/JP/gia-about/4cs-clarity
- フローレス(FL) – 熟練したグレーダーが10倍の倍率で見てもインクルージョンやブレミッシュが見えない
- インターナリー フローレス(IF)– 熟練したグレーダーが10倍の倍率で見てインクルージョンは見えず、ブレミッシュだけが見える
- ベリーベリースライトリーインクルーデッド(VVS1とVVS2) – インクルージョンは熟練したグレーダーが10倍の倍率で見ても確認が困難
- ベリースライトリーインクルーデッド(VS1とVS2) – わずかにインクルージョンがあり、熟練したグレーダーが10倍の倍率で見て確認が困難からやや簡単までの程度
- スライトリーインクルーデッド(SI1とSI2) – インクルージョンは熟練したグレーダーが10倍の倍率で見て確認できる
- インクルーデッド(I1、I2、I3) – インクルージョンは10倍の倍率で容易に確認でき、透明度や輝きに影響を与える可能性あり
上記を見ればわかるように、クラリティは有資格者が整った環境で顕微鏡を用いてやっと判断できるほど細かな基準になります。
身に着けるジュエリーとしてならVSクラスでも十分美しいですし、SIクラスでも肉眼で見た時に素晴らしく綺麗に輝くダイヤモンドもあります。
IFクラスはダイヤモンドの汚れを完璧に落とし顕微鏡で覗いて、針で突いたような点が1箇所あるかどうかぐらいのクラリティです。
FLはこの針で突いたような点すらありません、完璧です。
こんな細かなレベルなので、FLもIFも肉眼で見ただけでは違いがわかりません。
グレーディング訓練を行ってきた私は、そこまでしてFLとIFの違いを区別する必要ある?と思っています。
ただ、やはりFLはそれだけ希少性が高く需要もあり、高額で売買されることから今のグレーディングの形は残り続けると思います。
カット(Cut)
カットは光をどれだけ美しく・効果的に反射させるかを評価する要素です。
プロポーションが整っているカットはダイヤモンド本来の輝きを極限まで引き出しています。
カットのグレードは、高評価の方からExcellent(エクセレント)、Very Good(ベリー グッド)、Good(グッド)、Fair(フェア)、Poor(プア)などのカテゴリで表されます。
4Cの中でカットだけが人の手で美しさをコントロールすることができる項目です。
内包物を避けできる限り原石を無駄にしないようにしつつ、どれだけ美しくカット出来るかどうかは、カット職人の腕の見せどころといえます。
最近では手作業でカットするのではなくコンピューターで行うことも多いそうですよ。
大きい原石が取れた場合は、最も美しく、尚且つ無駄が少ないカットにするにはどうしたらいいか全てコンピューターで割り出せるのだそうです。
ダイヤモンドは4Cが全てじゃない!
世界的な評価基準である4Cのおかげで、ダイヤモンドは趣向品という側面だけでなく資産としての側面も強くなりました。
資産として持つのであれば4Cは非常に重要な要素となります。
ですが鉱物として、宝石として、ジュエリーとして楽しむことに重点を置くのであれば4Cにこだわりすぎる必要はないと考えています。
宝石の本来の楽しさは、宝石に込められた太古の地球のロマンを感じることだと思っています。
もちろんそんな小難しいことを考えなくても、自分が美しい、気に入った!と思えるダイヤモンドであればいいのです。
4Cを知りつつ4Cに囚われすぎないのが、気に入ったダイヤモンドを見つけるコツだと思っています。
↓↓ブライダルダイヤモンドはこちら↓↓